イタリアの語学学校にいた時、イタリア語を学びにくる様々なひとを見てきた。
すぐに上達していった人。
その中に共通点を見つけた。それは
興味(言語と人間、両方に対して)
である。
興味、好奇心、知りたい欲
なぜうまく話せないのか?
勉強法よりも、そもそもモチベーションが下がっていないか?を気にするべき。
言語に対する興味である。
もっと知らない語彙を学びたい、言い方の幅を広げたい、といった好奇心を維持することが非常重要。
そしてもう一つ、人への興味がある人ほど吸収が早い。
語学学校に通い始めの時、スペイン人の女性が新しく生徒として来た。明るくしっかりとした印象の人だった。
私は彼女に感銘を受けた。というのは、彼女の質問の仕方、そして何より授業態度が素晴らしかったからだ。
年齢的な落ち着きもあるのだが、先生に質問する言葉の端々から、学びたいという意欲を感じるのだ。
その後職業を聞くくだりがあって、話していると、彼女は報道記者として働いているらしいとわかって合点が言った。彼女は取材に慣れていて、常に外への好奇心がある人だったのだ。
彼女のイタリア語はスペイン語話者であることを差し引いても上手だった。いや、イタリア語というより、人への接し方、話の聞き方というのだろうか。質問が上手い。
ランチ中話しているときも、会話が音楽のようにスムーズにテンポ良く流れる。
語学学校には、お金を払ってきているのにも関わらず、意欲的でない生徒ももちろん中にはいる。また、話す力があっても喋ろうとしなかったり、習得に時間が人よりかかる人も多い。
彼らは「興味」を持ち合わせていなかった。言語だけでなく、おそらく、人生のあらゆるものに。
この経験を通して思ったのは、
彼女のような、積極的に知ろうとする人、自分がまだ知らないことを不安とか不利だと考えず、むしろそれを逆手にとって相手からさらに多くを学ぼうとする態度
これこそが言語の上達、かつ、コミュニケーション全般において欠かせないものである、ということだ。
さあ、問題はこれらの能力をどう身につけるかである。
興味を持ち続けるには?
興味を持つ力はほんの少しの行動で誰でも持つことができる。
まず、視覚から訴えることが大切だ。
見える場所、冷蔵庫でも机の上でもなんでもいい。そこに未来の自分を奮い立たせる言葉(学習中の言語で)を書いた色付きのメモを貼る。
かっこいい!おもろ!と思った言い回しだったり、昨日学んだ単語もいい。
毎回見るたびに「あ」と思えたら勝ち。覚えてきた / 飽きてきたら変える。
人はその場の環境にマジで左右されがちなので、少しの変化、そう例えば、見慣れた部屋に小さなメモが貼られているというほんの些細な違和感でバタフライエフェクトの如く未来が変わっていく。(実体験)
それと、好きな分野に絡めて学ぶのも続きやすい。
面白いと思うポッドキャストやYoutuberを探して登録すれば、更新があるたびに気づくし、興味があるので覚えも早い。
自分はゲーム実況が好きだったのでイタリア人の実況者を探して見ていた。
そして、もう一つの興味。対人。
興味ありすぎるのもちょっとうざったらしいが、これは人と話しながら身につけることができる。
対面で話す時に意識すべきことがある。
少々心理学的だが、多言語を学ぶ上でも単純に友達を作る上でも有効である。
それは、自分が喋る時は自分に意識を向けない。ということである。
つまり「とにかく相手に伝えることを優先」にする。
自分の言葉が下手だとか間違っているだとかという自意識を片隅に追いやることができる。
自分の映り方よりも、相手が何を考えどういった気持ちになっているかに意識を向けることができる。
イタリア語の授業を日本でもフェレンツェでも受けた自分だが、日本人生徒と現地の生徒の違いは、この意識の差にあったと思う。
日本人の方が、「意見を伝えたい」よりも「間違ったことを言いたくない」という意識が比較的強い。それが、上達を阻んでいる面もある。
でも、このマインドを身につけることで、言語が不完全なままでもとりあえず人と話す習慣も育まれる。
例に挙げた彼女が秀でていたのは、この外側への意識だったと思う。
まとめ
・言語への知的好奇心
・人間への興味関心
この二つが鍵である。これらを作る、維持するには
・好きな分野で視覚的に学ぶ
・会話での意識を相手により向けること
が必要である。
好奇心がある人はどこへだっていける。何事もすぐに習得できる。
そしてその態度は、彼女の姿勢に感銘を受けた私のように、こうやって人から人へと言葉にせずとも伝わっていくものである。
言語だけでなくいろんな分野で実はかなり重要な要素である。

