「日本画って浮世絵とか、水墨画みたいな感じの絵のことでしょ?
ちょっとこう、平面的で古い感じの…富士山とかが描かれてる…」
自分もそう思ってました。大学で学ぶまでは。
ここでは日本画を描く身として、日本画の歴史と魅力をわかりやすく、平たくお伝えします。
日本画はいつ生まれてどう育ったか
日本画という言葉が初めて使用されたのは、明治時代。
明治とは、実は、鉄道、電灯、選挙といった、今では当たり前の制度ができ始め、強い西洋を見習っていこうと国が奮起した時代です。
西洋を見習う。つまり、相対的に日本のものは価値が薄まるということ。
今でこそ神格化される北斎や広重や写楽の絵も、近代化の影に隠れ、民衆から忘れ去られようとしていた。
それはいかんのでは?と警鐘を鳴らしたのが、アメリカからやってきたアーネスト・フェノロサさんと当時学生だった岡倉天心さん。
彼らが「日本の伝統美術を守らねば」と奔走する中で生まれたのが「日本画」という言葉。
洋画(Oil painting)に対する日本画(Japanese painting)
明治以前にも、主に中国から学んだ技法で描かれた「唐絵(からえ)」や、唐絵が日本風に変化して確立された「大和絵(やまとえ)」などがありました。
一方で彼らは、世界に対する日本固有の概念として、あらためて「日本画」と呼び始め、技術を継承させていきました。
…と、いった歴史は調べるとあちらこちらに出てきますが、実際に現代作家の展覧会に行ったりすると、「抽象画っぽい」「写実っぽい」と思うことがあると思います。
現代日本画では、描き方やモチーフの多様性によって、ぱっと見ではえ?日本画っぽくないと思うことが多いです。
ただ、あくまで筆者は、日本画の定義は使う素材によると思っています。
なので、例えばいくら写実的なイーロンマスクの似顔絵であっても、日本画の材料で描かれているならば日本画と呼んでいます。
実際どんなものを使って描いてるのでしょうか
どうやって描くの?
油絵は油で絵の具を溶きます。
水彩画は水で。
日本画も水で溶きますが、絵の具が違います。
日本画では、天然の鉱石や岩石、ガラス原料を砕いた粉末(=顔料)を、膠(いわばコラーゲン)を使って、接着します。
それを水で溶き、和紙や絹に、筆で載せていきます。
ここでは簡単に紹介だけしますが、その粉末こそが岩絵具(いわえのぐ)と呼ばれる、日本画に欠かせない材料の一つです。
私はこの岩絵具たちに美しさとロマンを感じます。特有のキラキラや自然の色合いが美しいのはもちろん、一粒一粒がこの岩石の塊である地球の一部なんだという事実に、とても胸が躍ります。
人工の顔料や接着剤も使われることはありますが、岩絵具と膠に光が反射して生まれる輝きは日本画ならではだと思います。
紙は基本的に和紙や絹をパネルに貼ってそこに描くのですが、いろんな厚さや色のものがあり、パネルの大きさや用途によって使い分けられます。
通常の和紙は、そのまま上に描くと滲みまくります。
ですので、きちっとした線や絵を描く場合はミョウバンを膠で溶いたもの(ドーサ液)をあらかじめひき、乾かしてから絵に取り掛かります。
また、筆や洋画とは違った特徴が見られますが、全部説明すると長くなるので、興味を持ってくださった方はどこかもっと正しそうなサイトで調べてください。(責任皆無)
要するに
こうした素材を使っている場合、「日本画である」と言うことができます。
そして、有名な浮世絵や版画なんかは,『日本の絵画』ではありますが、上記の画材を使っているわけではないので『日本画』とは言えないと思います。
魅力は何かって? 伝統的でロマンがあるということです。
この記事は本当にあっさりとした紹介で、日本画の長い歴史や実態やらには全く触れていません。
でもこれが日本画を知る時のとっかかりになればと思います。
自身も描いているので、お時間あればギャラリーを訪れていただければ幸いです。
では。
